診療放射線技師りきりん🦒明日を生きる楽しさスキャン✨

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被ばくと染色体の重要な関係【小中学生でもわかる確率的影響】

 

 

 被ばくと染色体に影響があるって聞いたけどどういうこと?
がんになったり子供に影響出るの?

 

被ばくすると染色体に異常が発生する可能性があります。

そのメカニズムと発がん・遺伝的影響について

具体的にどうなるかをわかりやすく紹介します。

 

 

専門分野としては放射線生物の範囲になります。

これがわかってないと基本的な被ばくの人体への影響はわかりません。

 

 

いってみよ〜

 

 

発がんと遺伝的影響に係る、被ばくと染色体の重要な関係【小中学生でも分かる確率的影響】

被ばくと発がん・遺伝的影響の関係 

 

被ばくによって発がん・遺伝的影響が起こる可能性はあります。

 

しかし、発がん・遺伝的影響は確実に起きるわけではありません。

あくまで可能性があるということです。

 

確率的影響という概念で起こりうる具体的な病名を示します。

 

発がん

どこのがんというわけではありません。

どこにでも発生します。

発生時期についても被ばくした時期とは関係なく40〜60代くらいに発症します。

 

白血病

血液のがんと言われています。

発症時期は被ばくから数年後に傷が広がり発症すると言われます。

 

遺伝的影響

子供の染色体異常と流産です。

放射線によって傷を受けた細胞が受精することで発生します。

 

その説明が染色体と放射線との関係を知ることで説明できます。

 

染色体とは

 

で、染色体って何?

 

染色体とは細胞一つ一つの核の中にあるとても小さなものです。

2本で1対の2重螺旋構造をしており

動物によっても違いますが、ヒトの場合は23対、計46本の染色体があります。

人体の設計図と呼ばれるDNA情報が入っています。

 

つまり・・・どゆこと?

 

 こういうことです。

 

発がんと遺伝的影響に係る、被ばくと染色体の重要な関係【小中学生でも分かる確率的影響】 

 

確率的影響

 

ここに放射線が来たとします。

 

発がんと遺伝的影響に係る、被ばくと染色体の重要な関係【小中学生でも分かる確率的影響】

 

パターンとしては

  1. 当たらなかった
  2. 1本当って染色体をやっつけた
  3. 1本当って染色体を傷つけたけどちゃんと回復した
  4. 1本当って染色体を傷つけて変なふうに回復した
  5. 2本やっつけた

こうなります。

発がんと遺伝的影響に係る、被ばくと染色体の重要な関係【小中学生でも分かる確率的影響】

発がんと遺伝的影響に係る、被ばくと染色体の重要な関係【小中学生でも分かる確率的影響】

発がんと遺伝的影響に係る、被ばくと染色体の重要な関係【小中学生でも分かる確率的影響】

 

番号でいうと4番の1本が異常修復した状態が染色体異常を起こす可能性があります。

 

確率的影響と言われるのは1本の放射線が4番のようになる確率も「0」では無いからです。

 

1本の放射線で異常が起こる確率

 

これはわかりません。

 

え?わからないの?

 

なぜなら普通に生活をしている中でも僕たちは自然放射線にさらされています。

そして発がんや染色体異常を経験します。

その確率は大量の放射線にさらされなければ数に差が出ないと考えられます。

 

ただし、細胞分裂の過程で異常が起こりやすくなるタイミングがあることはわかっています。

つまり細胞分裂が活発な時ほど影響が大きいということになります。

また、傷ついた細胞が体に残ると考えると、ある程度「蓄積する」という考え方もできます。

 

だから子どもはあまり被ばくしないほうがいいってこと?

 

妊娠中の被ばくについても同じことがいえます。

受精卵は成人と比べれば比較にならないほど細胞分裂が活発に行われていますので、放射線の影響がより強いといえます。

 

逆に年齢を重ねると被ばくして以降に与える影響は、相対的に少ないと言えます。

 

まとめ

世間一般での放射線によって起こる障害として最も心配されることだと思います。

確率的影響は理論上はどれだけ低被ばくでも起こりうるものです。

 

かと言って、発生したときに放射線によるものだと区別はできません。

そしてある程度、大量の放射線にさらされなければ数は増えません。

 

被ばくしない方がいいけど、低線量なら確率はとても低いです。 

 

診療の場面を考えると影響があるかどうかの確率がかなり低いのに

それを怖がって今、病気がある可能性がかなり高いのに検査しないのはよくないです。

かと言って、遺伝的影響は子どもの一生に関わります。

影響があったときに「あのとき被ばくしたからだ」と一生考えるのはやはりよくありません。

やはり緊急性とのバランスになりますが、診療の現場でも「妊娠の可能性」が否定できない場合は放射線の検査は避けるべきとなっています。

 

お医者さんが被ばくして確率的影響を考えても検査したほうがいいと言ったときは検査しましょう。

 

わからないときは何でも技師さんに聞くといいよ。
たぶん手書きで説明してくれるよっ。

 

 

放射線の影響は人体実験を行って得られたデータではありません。

原子力爆弾や重大事故などの過去のデータと動物・植物による実験データから人体への影響を想定したものです。

 

※ 参考

国際放射線防護委員会(ICRP)勧告

https://www.jrias.or.jp/books/cat/sub1-01/101-14.html