乳がんの対策方法を教えます。え?知らない男いるの?
マンモグラフィの特徴ってどういうところなの?
日々、マンモグラフィに関わっている診療放射線技師の考えが知りたいな。
近年、女性の検診に「マンモグラフィ(乳房X線撮影)」の注目が高まっています。
そのため現場ではたくさんの 女性の診療放射線技師が活躍 していることをあなたは知っていますか?
男の人に撮ってもらうのも抵抗あるもんね。
昨今の芸能界のニュースでもよく耳にする「乳がん」
注目が高まり病院内でも女性技師の需要は数年前と比べるとかなり増えたといえます。
そんな頑張る女性技師さんに変わってマンモグラフィに関する知識と注意点を紹介します。
今回は男性に向けても読んでいただくべく、男性技師目線のマンモグラフィです!
パートナーのためにもマンモグラフィについてよ〜く勉強してね。
いってみよ〜
乳がんの対策方法を現役の診療放射線技師が教えます。え?知らない男いるの?
早期発見・早期治療
前提として、がんは 早く見つける に越したことはありません。
小さければその後の治療方法の選択肢も多くなります。
乳がんも普段の生活の中で意識して、早期に気がつくことはとても大事です。
自覚症状には痛みや皮膚のひきつれ、異常乳頭分泌、しこりなどがあげられます。
鏡を見ながら自分で視触診をすることでこれらに気づくことができます。
「パートナーがしこりに気づく」という話もよく聞くが、これは笑い話ではありません。
肉まんの中に梅干の種を入れた感触が近いというので是非機会を作って試してみるといいと思います。
しかし、注意していなければしこりは小さい場合やほとんどわからない場合が多く自覚症状がないこともほとんどなんです。
じゃあ、どうしたらいいの?
やっぱり検診でチェックしてもらうのが一番!
検診
検診に行くと女性のコースとして乳がん検診が含まれていることが多いです。
- マンモグラフィ
- 乳腺超音波検査(マンマエコー)
- 医師による視触診
マンモグラフィと乳腺超音波検査は年齢や症例で得意・不得意が別れます。
マンモグラフィ
- 非常に高精細で微小な石灰化を発見できる
- 乳腺多い若い女性では乳がんを見つけるのが難しい場合がある
- 被ばくがある
乳腺超音波検査
- 痛み・被ばくがない
- 手技者の能力に左右される
- 微小な石灰化は見つけにくい
施設などによっても違いますが、年齢で項目を分けているところがほとんどです。
両方受ければもちろん安心です。
自分にあった検査方法を確認してください。
マンモグラフィとは
マンモグラフィも認知度が上がってきたとはいえ、特殊な検査です。
改めて詳しい紹介をします。
マンモグラフィとは女性の乳房を撮影するのに特化したレントゲン写真です。
欧米では30年ほど前から普及していましたが、日本での検診への普及は少し遅れて、2000年を過ぎた頃から始まりました。
撮影には専用の装置を使い、乳房を圧迫して伸ばした状態で撮影を行います。
圧迫するメリットは4つ
- 乳腺の重なりを少なくする
- 固定し動かないようにする
- 被写体と検出器を近づけることでボケを無くす
- 被ばくを低減できる
わざわざ痛い思いをしなければいけないのはそのためなのか。
そして乳腺の量によって検査の価値が変わるため、乳腺の量を高濃度、不均一高濃度、乳腺散在、脂肪性などと分類しています。
特に高濃度乳腺(デンスブレスト)はマンモグラフィを撮影しても隠れてしまうんです。
年齢や育児での変化することもありますが、撮影してもらった技師に自分の乳腺の量をきいてみるのもいいと思います。
きっと担当した技師さんは優しく教えてくれるね。
乳がんとは
更に乳がんをデータで見ていきます。
女性の罹患率1位は「 乳がん 」なんです!
でも乳がんは死亡数は少ないって知っていましたか?
肺がんは罹患率はそれほど多くないですが、死亡数で言えば1位となります。
胃・大腸がんは肺がんよりも罹患率が高いが死亡数では肺がんよりも下の順位です。
決して乳がんは他の部位に発生するがんに比べて優しいわけではありませんが、死亡数は少ないです。
なんで罹患率は高いのに死亡数が少ないの?
それはもちろん 治療しているから です。
実際に厚労省の発表する平成29年現在の死因・がんによる死亡数・がんの罹患部位を5位まで見てみると次の通りです。
死因順位
- 悪性新生物(がんや悪性胃腫瘍など)
- 心疾患
- 脳血管疾患
- 老衰
- 肺炎
がんによる死亡数の順位
- 肺
- 大腸
- 胃
- 膵臓
- 肝臓
男性
- 肺
- 胃
- 大腸
女性
- 大腸
- 肺
- 膵臓
がんの罹患部位の順位
- 大腸
- 胃
- 肺
男性
- 胃
- 肺
- 大腸
女性
- 乳房
- 大腸
- 胃
どんどん進歩するマンモグラフィ
マンモグラフィはもっと発展すると思います。
その具体例として認定制度と現場に登場している新しい技術を紹介します。
FPD(フラットパネルディテクタ)
検出器がフィルムからデジタルになりどんどんと微小な変化を捉えられるようになってきました。
その最先端がFPD。
実はマンモグラフィは微小な石灰化を捉えるために普通のレントゲン写真よりもずっとずっと画素が細かい写真を撮影しているんです。
もちろん高精細であるほどがんの発見率は高くなります。
トモシンセシス
マンモグラフィは通常、左右で2枚または4枚で撮影することが多い。
しかし、乳房を薄く伸ばしてもやはり写りづらいこともあります。
そこで最近、登場したのがトモシンセシス。
通常のマンモグラフィを撮影し、そのまま機械が動き出すことで立体的な撮影が可能です。
これで、乳腺と腫瘍の重なりがより明瞭に撮影することができます。
これからの技術の進歩に期待できますよ!
認定技師
「日本乳がん精度管理中央機構」というNPO法人があります。
診療放射線技師は撮影や機械の精度管理の知識・技術を認められると認定を受けることができるんです。
日々、技術を研鑽しているため認定された技師がいる施設は安心!
まとめ
自分で触診などをして発見することも大事ですが、限界がある場合も多いです。
そのためにマンモグラフィや乳腺超音波検査と言った検査があります。
乳がんは罹患率が多数だが、世間の意識、マンモグラフィなどの検査が広まったおかげで死亡数を抑えられているといえます。
診療放射線技師も腕を磨き技術・技能は日々、進化していきます。
診療放射線技師を身近に感じていたらぜひ検査を受けに来ていただきたいし、男性の方にはパートナーに愛のある一言を送ってほしいと思います。
みんな仲良く健康でいてね。