盲腸とは?虫垂炎をCTで診る!【位置は?原因は?手術は?】
「盲腸」ってよく聞く病気だけど、どういう病気?
盲腸になったら手術した方がいいって聞くけど、実際どうなの?
「盲腸」は若い人でもよく罹る病気の1つです。
手術したという話もよく聞くのではないでしょうか?
具体的にどこがどうなるのかを画像診断を使って紹介します。
実は「盲腸」といいつつ「盲腸の病気じゃない」って知ってましたか?
腹痛で運ばれてくる患者さんのCTを撮るとまずは確認する部位です。
どうやって診察をするのか、画像の診断をするのか詳しく紹介します。
いってみよ〜
盲腸とは?虫垂炎をCTで診る!【位置は?原因は?手術は?】
「盲腸」=正式には「急性虫垂炎」
まずは盲腸・虫垂などの位置関係を見ていきましょう。
また手書き・・・。
やっぱり手書きが説明しやすいし、わかりやすいですね!
真心こめられています🤗
大腸には小腸から栄養を食べたものから吸収した後のカス、水分などが流れてきます。
大腸の入り口はバウヒン弁という弁です。
そのバウヒン弁より上が上行結腸、下が盲腸となっています。
ご覧の通り、虫垂は盲腸からチョロンと伸びた部分です。
CTが普及する前は虫垂炎の診断が遅れ、症状が進行してしまうことも多かったようです。
手術したときには虫垂に出来た膿瘍が破裂して、盲腸が炎症を起こしているように見えたそうです。
よく「盲腸」と言われるのはそのためですね。
「盲腸炎」と言われていた時代には亡くなった人もいますので、早期に治すことはやはり重要です。
甘く見ないほうがいいね。
抗生剤を使って炎症を抑えて治す場合も多いですが、実は再発率は高いです。
何度も炎症を引き起こすリスクと手術のリスクを比べて、手術を選択する場合も多いです。
CTを撮影する前に、どんな症状?
もっともよく起こす症状は腹痛です。
しかし、この腹痛はちょっと変わったところがあるんです。
最初に痛いと感じるのは「心窩部(みぞおち)痛」です。
なので胃が痛いと言って受診される患者さんがよくみえます。
症状が進行すると痛みの位置が移動して、虫垂のある位置(多くは右下腹部)の痛みに変わります。
虫垂の位置を捉えるためにMcBurney(まっくばーにー)点というものがよく参考にされます。
ヘソと右上前腸骨棘(腰の前に出てる骨)の間を抑えることで、痛みの確認ができます。
「1」がマックバーニー点
診察のときにはマックバーニー点を押さえて痛みを確認します。
この時、押さえたときと離したときのどちらが痛みが強くなるかを確認します。
離したときのほうが痛みが強くなることを、Blumberg(ぶるんべるぐ)徴候または反跳痛といいます。
これは腹膜に炎症が広がっていると現れるサインです。
押した時よりも離した時に痛みが強くなるので、座っている状態から寝る、立つといった動きでも反跳痛が現れます。
僕も検査をする時に立ち上がる時と寝る時に痛みが強くなっているかを観察します。
身近な人でそんな症状の人を見かけたら腹膜炎を起こしているかもしれないのですぐに病院に連れて行ってあげてください😣
もしも押さえられないくらい腹部全体が痛く、ガチガチに固くなっている場合には腹膜炎がかなり進行している可能性があります。
これは筋性防御という反応で、虫垂炎だけでなく他の疾患でも腹膜炎がかなり進行していることを思わせる症状です。
今日はなんだか妙に難しいので、ここで一服、種知識😘
虫垂の働きはまだわかっていないこともあります。
草食の動物は食物繊維を消化するために必要なバクテリアを虫垂に蓄えているため、とくに重要な機関なんです。
でもヒトについてはつい数年前までは全く必要のないものとされてきました。
それが最近の研究では腸内細菌のバランスを整えるのに重要な役割をしているという報告もあるんです!
小さいのに不思議がつまってますね🤔
CTではどう写る?
虫垂炎のそもそもの原因は、虫垂に糞石がつまったり捻転してしまうなど循環が悪くなり菌が繁殖することによります。
それを踏まえて読影のポイントをまとめます。
- 虫垂が腫脹(6mm以上)
- 糞石の有無
- 脂肪織混濁の有無
- 膿瘍の有無
これらを見ていきます。
虫垂がどれかわかりますか?
全然、わからん。
答えはコチラです。
(クリックorタップで拡大)
体の右側にある虫垂が炎症で腫大しています。
この人だと小腸と間違えそうなくらい腫れてるので10mm以上はあります。
別のスライスで白く写っているのが糞石です。
白いのは、わかる。
体の正面から見てみます
こちらの方がわかりやすいと思います。
最初に描いてあった絵と似てますね!
糞石が虫垂の入り口に詰まってしまっているのがよくわかります。
(クリックorタップで拡大)
別のスライスでは虫垂のもっと下に落ちた糞石もみられます。
そして、虫垂の周りが他のところよりもモヤモヤしています。
これが脂肪織混濁です。
例えば皮ふを怪我したときでも腫れて周りが赤く炎症を起こしますよね。
その炎症が写ったものです。
そしてわかりにくいですが、膿瘍のようなものも写っていると思います。
まとめ
読んでいただきありがとうございました✨
虫垂炎については知らないことがたくさんあったんじゃないでしょうか?
患者さんのためにはいろいろなサインを見逃さないようにしなければいけません。
マックバーニー点、ブルンベルグ徴候、筋性防御などの身体的なサイン。
糞石、脂肪織混濁、膿瘍などの画像にうつるサイン。
手がかりを一つ一つ集めて正しい診断と早期の治療をしていきたいですね。
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たかが盲腸、されど盲腸だね。みんなも気をつけて✨