超電導MRI!無限の電流で生み出されるマグネティックフォース!
なんかすごいタイトルだね
MRIってどうやってあんなに強力な磁場を作ってるんだろう?
ベッドや車椅子、酸素ボンベ、点滴台などなどたびたび飛ばしては引っ付いて離れなくなってしまうMRIの吸引事故。
そんなに強い磁場をどうやって作り出しているか、不思議ですよね。
そんな疑問にお答えします!👍
実は義務教育中に習ったあの法則がヒントになるんですよ?✨
MRIの原理の初歩の初歩ですが、原理は難しいので敬遠されがちだと思います😓
なるべくわかりやすく、MRIの磁場について紹介します。
無限の彼方へ、いってみよ〜
だから今回ちょいちょい出てくるヒーロー感は何!?
たねきち、すっかりツッコミ役が板についてきたね😉
無限の電流で生み出される超電導とは?
MRIの静磁場を作り出す原理について紹介します。
予備知識
みなさん物理は好きですか?
嫌いな人も多いですよね。
正直、僕もあまり好きじゃないです😅
なるべくわかりやすく説明しますね。
分からなかったら、りきりんに文句言っていいよ。
まずはコイルについてお話しなければなりません。
コイルというのは金属でできた導線をぐるぐるぐるぐる巻いたものです。
MRIの中は数種類のコイルが入っています。
- 静磁場コイル
- 傾斜磁場コイル
- 送受信コイル
それぞれ役割が違いますが、磁場を作るのは静磁場コイルです。
フレミングの法則
覚えてる人も多いと思いますが、コレです。
それぞれの指が電流の方向、磁界の方向、力の方向を表します。
難しい話は抜きにしましょう。
ここで大事なのは「電気を流すと磁場と力が発生する」ということです。
この「力」というのもMRIでは無視できない事です。
要するに磁石を近づけるとくっついたり離れたりします。
あれが「力」です。
吸引事故も引きつける「力」によるものです。
そして撮影中に磁場をコントロールする時にも「力」は発生しています。
実は撮影中に磁場の方向や強さを変えています。
その時に発生した「力」でMRI内部ではコイルが動いてぶつかったり曲がったりします。
これが撮影中のうるさい音の正体です。
MRIの中で傾斜磁場コイルというコイルが暴れまわってる音なんです😣
患者さんには「この音で何か測ってるんですか?」なんて質問をされることもありますが、全く意味ないです。
無くせるものなら無くしたい。
でもなってしまう騒音です。
うるさいと思った方、ごめんなさい。
ジュールの法則
話を戻します✨
ちょっと知名度が低いかもしれないジュールの法則ですが、これは「電気を流すと熱が発生する」という法則です。
Q=I2× R ×t
熱量=電流の2乗✕抵抗✕電流を流した時間
ストーブをつければ暖かくなります。
豆電球をつければ熱くなります。
これらの熱は電気を流して作られています。
じゃあ、液体ヘリウムはコイルを冷やすために使ってるんだね!
違います🙅
なんで!?
以前は熱を水で冷やす「常伝導MRI」というものがありました。
しかし、効率が悪く高い磁場も作れないために役目を終えていると言っていいでしょう。
液体ヘリウムを入れる理由。
それは絶対零度に近づけるためです!
また変なワード出てきた!
絶対零度とは-273〔℃〕のことで、物質はこれ以上低い温度にはなりません。
外国では絶対零度を基準にした〔K〕(ケルビン)という単位で温度を表す国も多いです。
そして液体ヘリウムの温度は-269〔℃〕です。
オームの法則
またしても少し話がズレたので話を戻します✨
すぐに脱線するのはりきりんの悪い癖だよね。
もしも電気が流れる導線を-273℃(絶対零度)にしたらどうなるか。
導線の抵抗が「0」になるんです!
それを小学校で習ったオームの法則に当てはめます。
V=I✕R
抵抗Rは「0」なので電流Iが例え∞でも電圧も「0」
実際には-273℃ではなく-269℃なのでちょっぴり抵抗がありますが、抵抗の値はかなり小さいので少ない電圧でたくさんの電流を流すことが出来ると言えます。
ジュールの法則ではR=0なので
どれだけ電流を流しても
それこそ∞に電流を流しても熱が発生しません。
この現象を超電導といいます✨
まとめ
どれだけ電流を流しても抵抗が「0」だから熱も発生しない。
熱が発生しないから「∞」に電流を流せる。
「∞」に電流を流せるから強い磁場が作れる。
これが超電導の秘密です。
義務教育中に
「なんで勉強なんかしなきゃいけないんだ。オームとかフレミングとか人生のいつ使うんだ。」
と思ってたあなた!
法則は使いこなせませたか?
たぶん、りきりんは「超電導」ってフレーズを使いたかっただけだね。
はい。ごめんなさい。
マグネティックフォースはただの「磁力」って意味です😱